GCI優秀者研修旅行【ロンドン編】

はじめに

この記事はGCI優秀者研修旅行のロンドン編です。

GCI優秀者研修旅行とはなんぞや?という方はこちらをご覧ください。

出発 - ロンドン到着

成田

今回の旅行は2018年9月24日から10月1日のスケジュールでした。初日はほぼ飛行機で移動だけだったのですが、朝成田空港に集まるところから始まりました。 飛行機の搭乗の時間が11時だったので全体の集合は9時だったのですが、僕はクレカがお亡くなりになっていたので現金を換金したり、保険に入ったりとやることが多かったので 朝8時過ぎには空港についていました。

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成田出発

ヘルシンキ

今回はフィンランド経由でイギリスに行ったので途中のヘルシンキで乗り継ぎがありました。ヘルシンキは森の中に転々と街があるといった感じの自然豊かな都市でした。

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ヘルシンキの街並み

ヘルシンキ空港の中では待ち時間が少しあったのでみんなで近くのお店でビールを飲みました。

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みんなでビール

その後、乗り継いだ飛行機でヒースロー空港に向かいました。ヒースロー空港まではあまりかかりませんでした。ロンドン着が大体現地時間の18:00ごろだったと思います。

ホテル到着

その後、空港でタクシーを捕まえ、ロンドン市内のホテルに向かいました。

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ホテルの様子

川上さんとディナー

その後、St.Pancras駅構内にあるブリティッシュパブで、現在博士課程に在籍しながらDeepMindインターンをしていらっしゃる松尾研修士卒の川上さんと会食に行きました。

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ブリティッシュパブの料理

僕はフィッシュ&チップスを頼みましたが、なかなか量があって食べ応えがありました。イギリスの料理はマズイことに定評がありますが、意外なことに美味しかったです。松尾先生いわく最近料理のレベルが上がってきているんだとか。ただし、グリーンピース山盛り(ミント味)、お前だけは許さない・・・

川上さんとの会食ではDeepMind社について色々と聞くことができました。

DeepMind社は会社としては、研究開発組織の色合いがかなり強いらしく、川上さんも会社の利益に繋がるかどうかなどを一切考えることなく研究に専念できているとのことでした。話を聞いただけの印象ですが、大学にも雰囲気は近いのだろうかと感じました。

今回の旅行にはPreferred Networks(PFN)のサマーインターンに参加していた方も二人いたのですが、その人たちの話も聞いたところPFNも雰囲気としてはかなり近いとのことでした。

個人的には、DeepMindは巨大組織のため社員は数千人いるという話は意外でした。その中でも様々なチームがあり活発に動いているそうです。また、論文になるかどうかということを考えながら研究しているわけではないので、論文にはならなさそうな研究も沢山あり、カンファレンスなどでDeepMindとして現れる研究はその中のごく一部なのだそうです。

会社の利益になるかどうかを考えずに研究に専念できる、という環境を維持し続けられることについても質問が上がっていましたが、どうしてそんなことが可能なのかという明確な回答は川上さんにもわからないとのことでした。

その後、近くのKings Cross駅を見に行きました。かの有名な9と3/4番線も見てきました。

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夜のKings Cross

2日目 ATI - RCA - Babylon

朝食と朝の散歩

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朝食
朝食がビュッフェ形式だったので欲張って取り過ぎたら食べ切るのが大変でした。向こうの食事は全体的に塩味が強い印象を受けました。

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ロンドンの静閑な住宅街
その後、朝のロンドンを散歩しました。ロンドンはこの時期はもう朝は寒いようで、みんな冬服になっていました。

ロンドンは観光地などでは全然ないような場所も全てレンガづくりの街並みが広がっていて街全体としての統一感が非常に美しい都市でした。大通りを歩いていても楽しいですが、一本隣の道に入って地元の雰囲気を味わうのもなかなかよかったです。

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浅草 in London
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ホテルからの景色

Alan Turing Institute訪問

その後、研修旅行最初の訪問活動としてAlan Turing Institute(ATI)に行きました。ATIは、イギリスの大学が共同で立ち上げたAIの研究機関で発足は2015年とのことでした。

ATIBritish Libraryの一室にオフィスがあり、その前には名前にもあるAlan Turingにちなんで第二次世界大戦の時に使われたエニグマ暗号機が飾られていました。

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エニグマ

ATIでは、組織の沿革についての話と、Ph.Dの方が現在研究している内容についての話を伺うことができました。

ATIはAI研究の中でも基礎研究や共同研究に注力する組織で、事業としての展開やユースケースケーススタディなどは行わないそうです。その意味でイギリスのAI研究を下支えする研究機関という立ち位置を担っているという印象を受けました。

その上でATIが初期の目標として掲げているのは、

  • Safe and Ethical A.I.
  • Robotics

とのことでした。Safe and Ethical A.I.というのは研究室でもよく話題に上がる倫理的なAI、説明可能なAIといったAIの課題として話題になっている事柄とかなり近いと感じました。また、Roboticsは松尾先生の講演の中でもあった、機会が目を持つようになったことで今までできなかった領域における自動化が促進される、といった話と近いのかなと思いました。

ATIがSafe and Ethical A.I.を実現するにあたって重要としている事柄は

  • Fairness
  • Transparency
  • Privacy
  • Security
  • Robustness
  • Control

など多岐に渡っていたのですが、その中でもこの時はFairnessに関する取り組みを少しお話していただけました。

ATIが取り組んでいる研究の一つ、Counterfactual Fairness[1]という話をざっくりと聞かせていただきました。非常に大雑把な説明をすると、人間の意思決定を任せるようなシステムにおいて、公平性が担保されているかどうかを確認する手法で、反実仮想的な問いかけをシステムに対して繰り返し結果の出力の変化を観測する方法です。例をあげると、ローンの貸付の審査を行う自動化システムにおいて、ある男性が貸付をするという結果を得たとして、もし仮にその男性のapplicationのうち性別に関する部分だけを女性に変化させたとして結果が貸付をしない、というものになったとしたらそのシステムは何らかの差別的な学習をしてしまっている、と判断する、というようなことだそうです。

この説明は誤りがあるかもしれないので、詳しくは論文を参照していただければ、と思います。

その後、ATIPh.Dとして研究を行なっているAlvaroさんから、交通流の最適化に関する研究についてお話していただきました。 Alvaroさんは航空宇宙の出身で数学の博士を取った後、現在はATIPh.Dとして研究活動を行なっている、という方でした。

Alvaroさんは、ATIで都市交通に関してデータ探索やシミュレーションのテストシナリオを作成するツールの開発や、交通システムに対する変更の影響をシミュレーションなどを駆使して評価するような研究を行なっているとのことでした。交通システムなどの巨大で複雑なシステムにおいてはエージェントの行動がシステムの挙動を変更してしまうような現象が起こる(Knock on Effectと表現していました)ため、適切に影響を評価することは現在になっても難しいとのことでした。

今回はそのAlvaroさんの研究活動の中でも、交通信号の表示の仕組みを強化学習を使って最適化し、信号待ちで止められる車の台数を低減する、という研究に関して発表を聞きました。交通信号のアルゴリズムは、最適化が難しく全体として待ち時間を最小化するような解を得るためには個々の信号の最適化ではうまくいかない、という研究がこれまでになされてきたようです。Alvaroさんはこれに対し、強化学習のアプローチを用いてシミュレータにおいては改善することを確かめたとのことでした。今後は実データでの検証なども視野に入れながら研究を進めるとのことです。

Royal College of Art訪問

その後、Royal College of Art(RCA)を訪問しました。RCAはデザインシンキングなどで有名な大学でした。今回は、たまたまRCAに9月から短期の留学をしている僕の高校同期の磯部くんがRCAツアーのアレンジをしてくれました。

RCAは三つキャンパスがあるそうなのですが、今回はその中でもWhite City Campusを案内していただきました。RCAは、異なる分野、異なるバックグラウンドをもつもの同士が協調することによる可能性を強く信じている大学とのことで、ワーキングスペースの配置なども異なる分野に強みをもつもの同士が隣り合うようにするなどしているとのことでした。

また、学生が発表や自己の作品などを発信する機会を非常に多く取っているとのことでした。

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RCAで行われた展示会の様子

このような展示会のためのスペースや学生同士が話し合うためのスペースなどがあちこちにあり、空間設計に非常に気を使っている印象を受けました。東大の近辺にもコワーキングスペースのようなものは近年増えていますが、それよりもはるかに多くのワーキングスペースを設けてありました。また、White City Campus自体もそうですし、その隣にある建物もBBCが以前は所有していたとのことでそこにあったスタジオのような設備も使えたりと制作活動に専念できそうな環境が揃っていました。キャンパス内の広場のようなところには、テーブルゲーム台やチェスなどがおいてあり、学生同士が遊んでいました。また、たまに屋外の広場に巨大なディスプレイが出されていることがあるそうで、みんなでサッカーを見たりするそうです。

近くにはEU内最大のショッピングモールがあったり、一室を買うとしたら100万ポンドは下らないだろうというマンション?などがあり賑やかな地区という印象を受けました。

f:id:koukyo1213:20181011180148j:plainf:id:koukyo1213:20181011180154j:plain その後20分ほど歩いて、2日前までやっていたというLondon Design Festivalの会場の一つを見学しました。 f:id:koukyo1213:20181011180646j:plainf:id:koukyo1213:20181011180702j:plain

この場所は、バイオデザインの展覧会場だったのことで、プレハブの一つ一つがバイオデザインの研究室なのだそうです。アイデアはあってもお金や研究環境へのアクセスがない人がかなりの低額でプレハブの研究スペースを借りて独自の研究をすることができるようにしているとのことで研究を支援する環境が整っている街なんだ、という印象を受けました。

その後、案内などもしてくれた磯部くんと個人的に留学についてや今後の身の振り方などについて濃い話をした後、ロンドンでの最後の訪問先のBabylon Healthに向かいました。

Babylon Health

Babylon Healthは医療系AIのスタートアップで創業から数年しか経っていないにも関わらず、海外展開をしていたり400人以上のスタッフを抱えていたりと非常に勢いを感じるスタートアップでした。

Babylonの掲げる医療におけるAIの導入は、病院における医師のサポートや日々の生活における病気予防など多岐にわたるそうで医療という分野で様々に手を広げているようでした。

この時の訪問では、自閉症の早期発見や患者の感じる痛みの検知などに使われる顔画像からの感情分析の話をしてもらいました。 顔画像からの感情分析のタスクは昔からあるタスクで、僕も研究室の大先輩の博士論文などで見かけたことがありますが、CNNによる画像処理タスクの大幅性能改善により新たなブレイクスルーを迎えたそうです。このタスクは顔画像の抽出と画像内の顔の感情分析の二つに大きく分けられます。

顔画像の抽出も現在の最新の成果では、98%以上の精度で抽出できるようになっており、100人以上の顔が写っているような写真からほぼ誤りなく顔を抽出できている様子などは非常に衝撃的でした。 また、感情分析のタスクでは、各感情の間に位置するような微妙な表情の分析が難しいとのことだったのですが、これをAction Unitという人間の顔で変化しやすい点を事前知識として定義するという比較的古典的な手法と各Action Unitがどのような値を取っているかという関係をグラフとして扱ったMarcov Random Fieldの学習として解くことで大幅な性能改善を行なったとのことでした。

仔細は論文を確認した方がいいのですが、残念ながら論文のタイトルを忘れてしまったのでまた後ほど・・・

食事

その後、RCAの紹介のアレンジメントをしてくれた磯部くんと会食をしました。 f:id:koukyo1213:20181011183012j:plainf:id:koukyo1213:20181011183018j:plain

肉料理にはハズレはなく、食事を楽しむことができました。その後、近くのラーメン屋さんに松尾先生といきましたが、驚いたことに日本のラーメン屋と比べてもまったく遜色ないくらい美味しかったです。松尾先生はどうやら食事に関しては一家言あるようで、旅行中の他の機会にもラーメン屋さんにご一緒させていただきました。

3日目 パリへ移動

3日目は朝早くに起きてパリへユーロスターで移動しました。

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St.Pancras
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Platform
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Eurostar
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フランスの田舎

基本的にユーロスターから見られる眺めはずっと広大な平原とところどころある林と、ポツポツと見える町でした。牧歌的な雰囲気がとても気に入りました。

続きはパリ編で・・・

参考文献

[1] Kusner, M. J., Loftus, J., Russell, C., & Silva, R. (2017). Counterfactual fairness. In Advances in Neural Information Processing Systems (pp. 4066-4076).

GCI優秀者研修旅行に行ってきました

はじめに

今日は、9/24-10/1の日程でGCIの優秀修了者が招待される欧州研修旅行に行ってきた記録を残しておきたいと思います。今回のGCIは第5回ですがこの研修旅行は第1回の頃から行っているものとのことでした。年によって行く場所が違うらしいですが、今年は欧州研修旅行として、ロンドン・パリ・ベルリンに行ってきました。

 

非常に内容が濃かったので、ロンドン編、パリ編、ベルリン編の三つに分けてこれから書いていこうと思います。

GCIとは

本編を書くまえにGCIの説明をしておこうと思います。

GCIとは、東京大学 松尾研究室が主催している寄附講座で正式名称は「東京大学グローバル消費インテリジェンス寄付講座」と言うそうです。内容としては、PythonSQLなどからScipyやPandasなどの科学技術計算には欠かせないツールの使い方、そしてマーケティング的思考や分析の手法など幅広い内容を取り扱う、データサイエンスの入り口のような授業です。

 

学部1年生から博士課程の学生、また社会人に向けても門戸を開いており、単位は出ないにも関わらず例年定員を大きく上回る受講希望が届けられているとのことです。

 

今年は、授業内にKaggleのようなデータ分析コンペが取り入れられたこともあり、楽しんで参加することができました。

優秀修了者の条件

GCIの修了条件は、毎回の授業で出される課題を全て提出していること、授業を4回以上欠席していないこと、でした。その上で、今回の優秀修了者として選ばれたのは、1回でも授業内のデータ分析コンペで3位以内に入賞しているか、最終課題で優秀な成績を納めたと認定されたか、と言うことで選ばれていて全部で10人程度だったかと思います。

ロンドン編

koukyo1213.hatenablog.com

パリ編

koukyo1213.hatenablog.com

ベルリン編

近日公開予定です。

VOYAGE GROUPのTreasureインターンに参加してきました。

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はじめに

8月の半ばから終わりまでの三週間にVOYAGE GROUPのTreasureインターンに参加してきました。 非常に内容が濃く、ためになるインターンだったのでここに思い出を残しておきたいと思います。

応募から開始まで

そもそも、僕はVOYAGE GROUPという会社を今年の5月くらいまで知りませんでした。というか5月の段階ではDeNAクックパッドが IT企業ってことも知らない状態で、IT就活なんか興味あるけどようわからん状態です。

そんななか、予備校で浪人していた時代の友達から「本郷周辺でただで焼き肉食べられるイベントあるんだけど、来ない?」 という、選択肢があってないような話が飛んできてすぐに応募しました。だってタダ焼き肉だよ?

応募にあたってサポーターズに登録する必要があったのですが、タダ焼き肉のためとあればなんのその、話が回ってきてから20分で 登録を済ませました。

当日の焼き肉は本郷三丁目から歩いて5分くらいのところにある房屋でした。学生にはちょっと手が出づらいくらいの価格帯(¥4000~)のところなのでなかなかいいものが食べられました。写真を撮り忘れていてここに貼れないのが残念・・・。

このイベント、実のところタダ焼き肉をなんかおごってもらえるイベントというわけではなくて、タダ焼き肉を食べながらIT企業のエンジニアの人と話しながらインターンの紹介をされたり自分の人生相談をさせてもらったりするイベントです。毎年やっている?っぽいのでオススメ。

その日来ていたのはDeNAの人とVOYAGE GROUPの人、そしてサポーターズのコーディネータの人でした。なので僕がはじめてVOYAGE GROUPを認知したのはこの時です。DeNAの人から無限にDeNAについて説明を聞いたり VOYAGEの人にそもそもVOYAGEって何をやっている会社なのかという説明を受けたり、サポーターズの人からJapanese Traditional Big Companyではクリアファイルを買うのにもはんこが5つと一週間が必要なことを聞いたりとなかなかおもしろかったです。

このときにインターンの説明も受けたわけですが、このときの興味はまだ殆ど無かったです。でも折角焼き肉おごってもらったし応募はしてみようと思い結局DeNAとVOYAGE GROUPの両方に応募しました。結果としてDeNAは経験不足ということで面接に落ちましたが、VOYAGE GROUPの方は通ることができました。面接のことは書いていいのかわからないので濁しておきますがコードを書いたりといった技術試験みたいなのはなかったです。多分GitHubとかは覗いているんじゃないかと思いましたが技術力を測っている様子はあまりなく、どちらかといえばチームとしての協調行動ができるのか、みたいな部分を見ているんじゃないかと思いました、しらんけど。

その後、8月の頭に事前課題が出されて8月13日からのインターンに備えて少し勉強をしました。事前課題は、インターンで用いるGolangの基本的な文法についてだったりDB設計(第三正規化できるかな?みたいな)とか、セキュリティの基礎とかAPIの叩き方とか。セキュリティ関連の話なんかは知らないことが多くて結構勉強になりました。

講義の流れ

Treasureは、講義が1週間半強あり、残りの1週間半弱がチーム開発を行うというインターンです。講義では様々なことを学ぶことができました。

はじめの二日間はGoを使ったWebアプリケーションの作成についての講義でした。Goに関してはインターン参加が決まってから少し勉強した程度でしたがなんとかなりました。 ちょっと前にC言語をずっと触っていた経験が生きたような気もしました。スライス、マップくらいは分かっておいたほうが良かったかもしれないですが調べればなんとかなるというスタイルでも 問題なさそうでした。

三日目がフロントエンド講義だったのですが、ここのあたりが自分的には一番きつかったです。というのも、今まで自分が触れたことのあるフロントエンドの技術はjQueryレベルだったところに いきなりReact + Reduxみたいな話が飛んできて正直この日習った内容をその日のうちに咀嚼し切ることはできませんでした。でもこの時習った内容が後述する中間課題では大活躍したので 結果としてはかなりためになる講義でした。

4日目はWebAPIの講義でした。今までの自分の経験では、JSONを返すAPIを作ったことはなかったので新鮮な経験でした。モダンなWeb開発の「標準」を知りたいと思って参加した、というのが 結構大きな動機としてあったのでこの時点で満足度100%くらいです。自分チョロい。

ちなみにこのときの内容がバズってました笑。

5日目から土日をはさんで月曜(6日目)の朝まで、中間課題というものが出ていました。結構自由に作れる感じだったので僕はマインドマップを書くアプリケーションに挑戦しました。この時に、これまでの講義資料がめちゃくちゃ役立ちました。 構成としてはバックエンドにMySQL+Goを使い、フロント側はReact + Redux + Canvasという構成にしました。講義で習ったことをできるだけ使おうと今まで触れたことのない技術ばかりでしたが挑戦してみた所レビューでほめてもらえました(レビューに関しては後述します)。結構作るのが楽しくて愛着も出てきたのでフロント側だけで動く部分だけでも完成させてgithub.ioにあげてみようかと思います。

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二周目はセキュリティの話やデータベース設計の話、アイデアソンなどがあり2周目の最後にチーム開発が幕開けました。

チーム開発

チーム開発は5人ずつのチームに分かれて開発するというものでした。このチーム開発、すごいのが各チームに3~4人のメンターがつくこと。僕達のチームは4人のメンターさんたちに恵まれたチームでした。

チーム開発は基本的に何を作っても良さそうな(HTTPを使っている、みたいな条件はいくつか有ります)感じでしたが、この時にアイデアソンの時に習った方法で自分たちの作りたいプロダクトについて悩みに悩みました。正直なところ、僕は一日で決まると思っていたのですが、最終的にアイデアが固まるまでに3日かかりました。他のチームも似たような感じでしたが、これも社員の方からみると上手く行っている方、らしいです。アイデア出しは難しい。

僕達のチームは作りたいプロダクトの性質からしてモバイルアプリがふさわしい感じだったのでiOSアプリケーションとして開発を行いました。例年iOSアプリケーションは何チームかあるとのことでしたが、今年は僕達のチームだけでした。僕はSwiftを書いたこともなければMacも持っていなかったのでバックエンド側でひたすらAPIを作る人になっていました。自分たちのプロダクトはクライアントサイドが結構重そうだったので開発中なんども手伝いたくても手伝えない歯がゆさを感じました。もちろんコードを書くだけが手伝う方法ではないのですが、絶対的に仕事量が偏っている中ででも自分が何もできないのはもどかしく、Swift書けるようになりたい!と何度も思いました。

最終的にはなんとか動くものもできたのでかなり満足はしていますが、動くことを優先しすぎて手が回りきらなかった所もいろいろあるのでインターンが終わっても開発を継続したい気持ちでいっぱいです。

インターンの流れはこんな感じなのですが、待遇?というか環境がすごかったので書いておきます。

環境などなど

参加者

参加者のレベルは高い方なのかな、と思いました。といっても他のインターンに行っていないので比べるすべがないのですが、みんな何かしらの形でプログラミングでプロダクトを作った経験があるような人たちでした。 講義中も結構色々な面で説明が端折られることも多かったのですが難なくついていけている感じでした。Web系の人間が多いのかな、と思っていたのですが意外とそうでもなくてSwiftばっかり書いています、みたいな人や 普段はゲームサークルでC++を書いています、みたいな人もいてWeb関連のことをやっている人は6~7割くらいという印象でした。

講師陣・サポーター陣

このインターンですごかったことの一つに豪華講師陣が挙げられます。メイン講師のすずけんさんは、VOYAGE GROUPの中でも最高ランク(社内評価制度というものがあるそうです)の方なのですが、その方がフルコミットしてくださる、みたいな無茶苦茶ぶりでした。社内の主戦力を三週間も投入し続けるという本気度合いをひしひしと感じました。 他の講師の方もさもありなん。

後半のチーム開発でもつきっきりでエンジニア2人と営業・人事の方を1~2付けたりとかなり豪華なサポート体制でした。また、中間課題に関してはすずけんさんが3日かけてレビューをしてくださるという高待遇っぷりでした。サポーターの方も困った時に聞けば手助けをしてくださるのですが、こちらの成長を考えてただ答えを教えるわけではなく、自分で考えて答えにたどり着けるようにしてくださるような教え方をしてくださりとても自分のためになりました。なんかこう書いているとだんだん胡散臭さが出てきますが全部本当のことなのでしょうがない。

3時のおやつと飯事情

面白かったのは、講義期間中は毎日3時のおやつの時間があったことです。大体毎日驚かせようと腕によりをかけた作品?が持ち込まれていました。

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かき氷だったりうまい棒1340本だったりと毎日この時間はワクワクさせられました。 また、社内にAJITOというバー?があり18:30以降はお酒をただで飲めるという爆アド体験もしました。他にもご飯関連では無限に語ることがあるのですが、あまりにありすぎて書ききれないのでTwitterで#voyage_internで検索をかけてみるといろいろと面白いものが見つかると思います。

振り返ってみて

色々書いてみましたが、ここには書ききれないことが満載です。とにかく最高なインターンなので抜群にオススメです。

キャリア形成のお話

昨日、ちょっと面白い方と面談してきたのでメモ。

機密保持うんたらの話とかなかったのでどこまで書いていいものか分からないので、ちょっとぼやかして書きます。

成り行き

某HRテックの人とfbでたまに連絡をしていて、インターンには時期的に行けないが御社のデータ分析の取り組みに興味がある、と伝えたら設定していただきました。

面談してくださったエンジニア

某HRテックではデータ分析基盤を作ってたり、人事をやってみたり、休日に完全食を作ってる企業のCTOをしていたり、データ基盤のOSSのコントリビュータだったりと、とにかく色々なスキルをお持ちの方でした。

その上自分とは6つしか離れていないらしい。正直6年経ってもその人と同じ土俵に立てているのかわからないです。

面談のながれ

  1. 最初ににIT業界を取り巻くながれの概観を教えていただきました。

Webの世界では最初は同じエンジニアが、バックエンドもフロントエンドもインフラもひっくるめてやっていたこと、段々と切り分けができてきて今ではバックエンドはAPIを用意するだけでよくて、フロントエンドはAPIのエンドポイントさえあれば、JSをごにょごにょ書いていれば大丈夫なこと、その様子はフレームワークの興盛にも現れていること、と言ったざっくりとした話をしてもらいました。

また、データ分析の世界でも今は分析者がWebのほうでもAPIを作らざるを得ない状況にあること、これから分業が進んで、分析者はデータのI/Oの部分だけ作ればよくなるようになっていくだろうという話をしていただきました。

そして最後に、そういった状況を踏まえてどのような生き方をするのがいいのか、みたいな話になりました。

大分業時代の生き方

その方が言っていた面白い話、というのは大分業時代にあって希少かつ重要になるのは分業された仕事を糊付けするような仕事だ、という話でした。そして、そのような仕事は何か1つの分野で高い専門性を誇るような人よりも様々な分野を広く浅く経験してきた人間、とも言っていました。

正直今まで専門性の無さにちょっとした絶望感を持っていたのもあってなかなか深く心に残る言葉でした。

しばらくはその意味を咀嚼しながら自分のキャリア形成を見つめてみようと思います(そもそもキャリア形成を意識しなければいけない、というのがちょっと固定観念のような気もしますけど)

こうきょの日記(限定版)について

事情があってオープンにできないような記事をまとめるためのブログを開設しました。

Twitterのアカウントに対して閲覧を許可する、などが出来ますので見たい人は連絡をください。

個人的な知り合いなどには公開しようと思います。

今のところ某コンペで2位になった話を載せています。

東大総長賞授賞式にお邪魔させていただきました

久しぶりの投稿&記事の内容も1ヶ月以上前の出来事についてなのですが、

先日東京大学の総長賞授賞式にお邪魔させていただく機会をいただきました。

その時の出来事が印象的だったので書き残しておこうと思います。

はじめに

はじめに、なぜ総長賞授賞式に参加できたのか、という話を軽くしておこうと思います。

平成29年度の東京大学総長賞には41件の応募の中から総長大賞2件と総長賞12件が選ばれました。

平成29年度東大総長賞受賞者

うち、課外活動での表彰は3件だったのですがそのうち1団体に僕が昨年末まで在籍していた、東京大学運動会躰道部が含まれておりそちらの招待で参加させていただきました。

躰道部の表彰理由ですが、昨年7月末に行われた躰道の世界大会における活躍と全国学躰道優勝大会10連覇およびそれを称える大会初の特別褒章の受賞、という目覚ましいものでした。

そのような華々しい成果の中で、自分の果たした役割はごく僅かなものですがそれでも素晴らしい成果を誇らしく思います。

総長賞授賞式

総長賞授賞式では、各受賞者がその受賞した理由に関して語る時間が5分ずつ設けてあります。

学業での表彰であればその研究内容を、課外活動での表彰であればその活動に関して発表していくことになります。

最初に課外活動での表彰の発表がありました。課外活動での表彰は躰道部と硬式野球部、そして中原中也賞を受賞した教育学研究科の野崎さんでしたが、そのうち野崎さんは 総長大賞の受賞だったため、総長賞受賞の2団体の発表でした。硬式野球部の受賞内容は2017年の一連の活動成果、というものでしたが主なものとして十数年ぶりの勝ち点獲得、というものが あったようです。

勝ち点とは、同じ相手に2連勝することで得られるものとのことでそれが十数年とれなかったという話は、以下に6大学の野球が熾烈な戦いかを表しているようでした。

そのあと躰道部の発表があり、その後学業での表彰者の発表に移りました。

どの発表も素晴らしいものでしたが、中でも同じ学部4年生ながら総長賞を受賞した、農学部の小林里緒菜さんと同じく学部4年ながらなんと総長大賞を受賞した 柏倉沙耶さんの発表は印象的でした。

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小林里緒菜さん(許可を頂いています)

その後、五神総長の挨拶があり写真撮影をして式は終わったのですが、五神総長の話の中でも印象的だったのは、どの研究も自分の考えを持って主体的に進めていたことが評価された、 という話でした。最近ひしひしと、研究を自分の力で切り開くことの難しさを感じているだけにこれがいかに大変かがよくわかります。

発表の印象として、興味深かったのは全員発表が非常に上手く、また研究の目的と結果が非常にすっきりとして分かりやすかったことが挙げられます。ここまですっきりとした研究に見えるように なるために一体どれだけの努力を積んできたのか、検討もつきませんでした。

懇親会

授賞式のあとは懇親会がありました。正直なところここでどのような研究が総長賞に選ばれるのか聞くのが目的で参加したようなものだったので非常に楽しませてもらいました。

面白かったのは、理学系研究科の大屋瑶子さんから聞いた話なのですが、総長賞に選ばれる前にまず理学系研究科内での争いがあり、それに残るためには発表がわかりやすい ことがひとつ大きな指標だったという話でした。つまり学術的に非常に優れているのはもちろん、その成果が専門でない人にもわかりやすいことが基準としてあるということだったのですが それは授賞式での発表が非常に高度な内容にもかかわらず分かりやすかったことを裏付けているようでした。

また、面白いなと思ったのが4年生で受賞した2人はどちらもGLP GefILの第一期生だったことでした。このプログラムの名前を聞くのは初めてだったのですが、その中から2人学部四年にして 学術表彰を受ける人物が出るというのは並々ならぬことだろうな、という印象を受けました。

まとめ

非常に有意義な体験をすることができました。研究をする上での心構えなどを得ることができたか、というと怪しいところですが自分の周りにはこんなすごい人たちがいるんだ、ということを 意識できただけでも有意義だったと言えます。

ブログを書くことについて

はじめに

最近、ブログを書くようになった。

 

これは1つはAdvent Calender2017で書き始めて案外おもしろかったっていうのもあるけれど、一方で最近自分の中で固まってきた行動指針に上手くはまっていたから、というのもある。

 

その行動指針についてちょっと言語化してみたいと思う。

 

 

可視化することの大事さ

きっかけは最近ちょっとバズってたこのツイートだ。

 

 

ソースが怪しい話なことはさておき、この話は自分でも納得感があった。

 

時間がかかる数値計算のプログラムを回しているとき、真っ黒なコンソールを眺めていると不安になってくるものだ。というか、コンソールから目が離しづらくなる。

 

ちゃんと計算しているのか、とか怪しい計算結果を出していないかとか心配事が山のように溢れてきて他の作業に手をつけづらくなってしまうのだ。

 

 

 

一方で、ブロックごとにその処理が終わったことを表示させたり、ループなんかでループカウンタがめまぐるしく動いている様子を表示させたりすると妙な安心感がある。(I/O処理は基本的に時間がかかるけれど笑)

 

あるいは、アプリケーションか何かをapt-get installしたときにコンソールに大量のメッセージが流れるときの安心感と言ってもいい。

 

とにかく、人やコンピュータに何かをさせているときにそのアウトプットがこまめに出てくるというのはちょっとした快感すらあるものとも思えてくる。未知の状況が"予測できる"という快感なのかなと僕は思っている。

 

 

行動指針

 この記事を見てから、僕はひとつの行動指針を立ててみた。

それはすなわち、

 

 

 

 

 

アウトプットをこまめにすること

 

 

 

 

 

だ。

このシンプル極まりない行動指針は今のところいい感じに作用してくれている。

 

頻繁にgit commitをしてちゃんと動いている、ということを示したり(これに関してはやりすぎないように気をつけたい)、Qiitaやはてなブログに記事を投稿したり、あるいはレスポンスを早くしたり、といったことはどれもとてもいい。

 

こまめにアウトプットすること

ちょっと前まではアウトプットはしない方だったと思う。でも、今ならわかるけれどそれは失敗とは言わないまでもあまり良くない戦略だったと思う。

 

つらいことは相談できずに溜め込んでしまうし、進捗がないことを隠そうとしてしまう。進捗を生まなければという焦りか何かが呪いのように付きまとってくる。

 

 

こまめにアウトプットすることの効用は大きい。まず、どんな少ない進捗でも何かをしているという納得感が自分にはあるし、それを伝えるべき相手にも何かやってはいるという印象をあたえることができる。

 

また、それを見た人がアドバイスをくれたりすることも多い。なにか行き詰まってしまった時は思い切って公開してしまうのも手だ。

 

 

可視化とか言語化をしているうちにアイデアが湧いてくることもある。何かの手順を記している時頭のなかではそれを上手く構造化する作業が行われているからだと思う。

 

そんなこんなで最近は言語化と可視化を多くするようにしている。

それがやらなければならないことを侵食してしまったとしても、だ。

 

まとめ

ブログを書くようになったのもその一環というのが結論だ。

 

ブログを書くことは実のところ恥ずかしさがある。

それがまだまだ始めたばかりだからなのか、そういうものなのか僕にはまだわからないけれど、恥ずかしいという感覚はブログを書く気持ちを減退させてしまう。

 

それでもやっぱり書いているのは上であげた行動指針ゆえに、というところだろうか。